たった2000円の“対話” 〜クレストエンブレムのリフレッシュ〜

納車からしばらく経ち、ふとした瞬間に気づいたんです。
ボンネットに誇らしげに輝く“クレストエンブレム”。その周囲を縁取るゴムパッキンに、わずかな経年劣化の兆し。
パフォーマンスを左右するものでもない。
でも僕にとっては、それを見過ごすことができなかった。
「この911を、もっと大切にしたい」
そんな想いから、僕はたったひとつの部品――ボンネットエンブレム用のゴムパッキンを買いに出かけた。
■ パーツを買いに行くという“儀式”
正直、ネットでも買えたかもしれない。
でも僕は、あえてポルシェセンターに足を運ぶことを選んだ。
ガレージライフの延長線上にある、“911と向き合う時間”を感じたかったんです。

お目当てのゴムパッキンは、純正部品で2000円程度。
高価なパーツではない。けれど、その小さな輪っかを手にしたとき、妙な高揚感があった。
■ クレストの“顔”を整えるということ
今回このパッキンを交換する理由は、単なる劣化ではありません。
クレストのクリア部分のくすみが気になり、自分でリフレッシュ作業をすることにしたんです。
その準備として、いったんクレストを取り外す必要があった。

そのとき、再装着する際にきちんと密着させるために、新しいパッキンが必要だと思ったんです。
「どうせやるなら、ちゃんとやりたい」――これは自己満足かもしれない。でも、それでいい。
911という車は、そんな細部へのこだわりに“応えてくれる”クルマだから。
■ たった2000円で得たもの
パッキン交換の作業はあっという間に終わった。
けれど、その工程ひとつひとつが、まるで911との対話のようだった。
トルクレンチの手応え。パーツがピタッとはまる瞬間の快感。
そして、作業後に眺めるクレストの美しさ。
そう、“たった2000円の部品”が、僕にとっては911との関係をより深めてくれるきっかけだった。

■ クルマはいじってこそ、愛着が湧く
クルマに限らず、何かを“自分の手で手入れする”って、特別なことだと思う。
それが高級車であろうと、自転車であろうと変わらない。
手をかけた分だけ、そのモノは自分の一部になっていく。
今回のゴムパッキンは、まさにその象徴。
たった数cmのパーツが、僕の“911Life.”をまた一歩深いものにしてくれた。
■ これからも、パーツと心を整えながら
きっとこれから先、もっと大きな整備やトラブルにも直面すると思う。
でも、こんなふうにパーツひとつから丁寧に向き合っていけば、911はそれに応えてくれると信じている。
僕にとって、911は“所有する車”ではなく“付き合っていく相棒”だ。
これからも、こんな小さなエピソードを大切にしながら、「911と生きる」ということを続けていきたい。納車からしばらく経ち、ふとした瞬間に気づいたんです。
ボンネットに誇らしげに輝く“クレストエンブレム”。その周囲を縁取るゴムパッキンに、わずかな経年劣化の兆し。
派手なカスタムではない。
パフォーマンスを左右するものでもない。
でも僕にとっては、それを見過ごすことができなかった。
「この911を、もっと大切にしたい」
そんな想いから、僕はたったひとつの部品――ボンネットエンブレム用のゴムパッキンを買いに出かけた。
コメント